「iPhoneバッテリーの噂」を調べてみた結果…

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①公式以外の充電器は危ない?

説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりが正しく理解していないこともあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「純正品ではない充電器を使用してもだいじょうぶ?」という質問に答えます。

充電中のiPhone 5にかかってきた電話に出た中国人女性が感電して亡くなる、という報道が7月にありました。原因は調査中のため、はっきりしたことは言えませんが、充電器が非正規品だったという情報があります。AppleがUSB充電器に関する特設ページを開設したこと、他社製充電アダプタの下取りプログラムを開始したことからしても、その線は濃厚でしょう。

 

純正品ではない充電器を使用しても問題ないかという質問ですが、Appleは「他社製アダプタすべてに問題があるわけではありません」と認めています。純正品以外はすべて問題ありではなく、他社製品の一部に問題のある製品が混入していたようで、不幸にもそれを利用した女性が事故に遭遇した、という理解でよさそうです。

なお、「他社製アダプタ」と一括りにされていますが、実際には「Made for iPhone取得済」のアダプタとそうでないものが含まれます。Appleはアクセサリメーカーに対し、iPhoneに適した互換性要件を定めており、その性能基準を満たしていると認定された製品にのみ「Made for iPhone」ロゴの使用許可を与えています。いわば"Appleお墨付き"の製品ですから、純正品に準じた信頼性があると考えていいでしょう。

とはいえ、死亡事故という事の重大さを考慮したのか、今回の下取りプログラムは他社製アダプタすべてを対象にしています。通常価格1,980円の製品が約半額の1,000円、Appl Storeおよび正規サービスプロバイダで10月8日まで実施されています。むやみに怖れる必要はありませんが、「Made for iPhone」ロゴのない充電アダプタを利用しているユーザは、これを機に純正品を入手してもいいかもしれません。

②寝ながらの充電はダメ?

一般的に、スマートフォンに搭載されているリチウムイオン電池には充電回数に基づく寿命があり、充電するごとにその回数がカウントされると言われています。そのため、充電ケーブルに端末を接続しっぱなしにすると、微妙な放電と充電を繰り返し、充電回数が勝手にカウントされていくとされています。

しかし、これは二重に間違っています。

まず、リチウムイオン電池上の充電回数は、100%に相当する量を使い切ることで1サイクルとカウントされます。したがって、50%使った後に50%充電しても、充電回数としては1サイクルではなく0.5サイクルなのです。

次に、最近のスマートフォンは、100%に達すると過充電を防止する装置が搭載されています。

スマートフォンは名前から察せるとおり、賢い(スマートだ)」と語るのは、電化製品を手がけるAnkerのスポークスマンです。「すべてのユニットはビルトインチップを搭載しており、一度100%に達すると充電を行わないようになっている」

事実、2015年に公開された「なぜリチウムイオン電池なのか」というAppleによる特集ページでも、バッテリーの容量が80%以降になると電流が弱まる「トリクル充電」へと変更され、バッテリーに負荷がかかりにくいモードに自動変更されることが示されています。

 

③アプリを閉じると省エネに?

PCと同じノリでiPhoneもホームボタン2回押し+スワイプでアプリ閉じて電池節約…と思ったら、実はこれ、逆効果らしいです。

iPhoneは使わないアプリは自動的にスリープになるので、手動で閉じても、それは「もともと閉じてるものを強制終了してる」だけ。むしろ強制終了することにより、

①閉じる間も画面照らす電池を食う
②起動するときにまた電池を食う

…のでバッテリーの減りは早くなってしまうんです。これはiOS 7以降の仕様です。アプリがあたかも開いているかのように見えますが、あれは閉じた時の画面をパシャッと撮ったただけのサムネ、静止画、お飾り。別に起きて動いてるわけじゃないのです。

 

④電源は使い切るのが正解?

ニッケルカドミウム電池ニッケル水素電池では、充電する前に放電した方が良い、というのは事実です。
 
しかし、iPhoneなどの電子機器に広く使われているリチウムイオン電池は、残量が40%〜80%の時に充電すると最も長持ちする、とも言われています。リチウムイオン電池の場合、残量が0%の状態で放置するとバッテリーに悪影響があるのでご注意ください。